起業知識

従業員を雇う前に知っておくべき法律とリスク管理を解説。

効果的なチームの作り方!最初の従業員を雇うタイミングとポイント

はじめに

起業当初は一人で全てをこなしていても、事業が成長するにつれて「そろそろ従業員を雇うべきか?」という課題に直面します。

しかし、最初の一人を雇う判断は非常に重要で、タイミングや採用する人材の選び方次第で、その後の成長スピードや会社の文化形成に大きく影響します。

本記事では、最初の従業員を雇うべきタイミングと、効果的なチーム作りのための実践的なポイントを詳しく解説します。


いつが最適?最初の従業員を雇うタイミング

業務過多で本業に集中できなくなったとき

業務量が明らかに一人では処理しきれなくなり、納期遅延や品質低下が起きている状態は明確なサインです。特に、売上に直結する業務に集中できず、事務作業や顧客対応に追われている場合、早期の人員補強が必要です。

成長機会を逃していると感じたとき

新しい案件や提携話が舞い込んでも、人手不足で断らざるを得ない状況は機会損失につながります。雇用はコストではなく、未来への投資として捉えることが重要です。

同じ業務を繰り返す仕組みができたとき

業務がマニュアル化・テンプレート化され、一定の再現性が確保できたタイミングは、他者に任せやすくなるベストな雇用時期です。


雇用と業務委託の使い分け

区分特徴メリット注意点
正社員社会保険加入、長期雇用前提安定的な戦力として期待できる固定費が高く、法的責任が発生する
業務委託契約に基づき業務単位で依頼専門性をすぐに活用できる継続性・一体感には欠けやすい
アルバイト/パート短時間・補助業務に適しているコストを抑えて対応可能担当範囲が限られる

初めは業務委託やパートタイムで業務を切り出し、実際の業務量やスキルマッチを確認しながら、将来的な正社員登用へつなげる流れがリスクを抑えた選択です。


従業員を雇う前に知っておくべき法律とリスク管理

雇用契約書の明示

契約書には業務内容、就業場所、労働時間、報酬、試用期間の有無などを明記します。厚生労働省のモデル雇用契約書を活用し、双方の認識齟齬を防ぎましょう。

社会保険と労働保険の加入義務

原則、週30時間以上勤務する従業員には社会保険(健康保険・厚生年金)と雇用保険・労災保険の加入が必要です。未加入は法令違反となり、指導・罰則対象になります。

就業規則・勤務ルールの整備

10名未満でも、勤務時間、休憩、遅刻・早退・欠勤時の取り扱いなどを明文化し、トラブル防止と社内ルールの明確化を行いましょう。

ハラスメント対策とコンプライアンス

中小企業にもハラスメント防止措置が義務付けられています。相談窓口の設置、外部通報機能、社内研修などでリスク回避を図る必要があります。


給与設計と報酬制度の考え方

初期フェーズに適した設計

資金的余裕が少ない創業期は、給与水準を高く設定するよりも、業績連動型インセンティブや将来性(昇給・昇進制度)を提示する方が現実的です。

評価制度と透明性

成果や行動に対する定量・定性評価制度を整備し、公正なフィードバックサイクルを設けることで、従業員の納得度・定着率が向上します。

非金銭的報酬(福利厚生・柔軟な働き方)

フレックス制度、リモートワーク、研修制度、書籍購入補助など、働きやすさを高める制度も報酬の一部と捉えましょう。


最初の採用に失敗しないための実践アドバイス

1. 採用要件を具体化する

「どんな人物を」「何のために」採用するかを言語化し、求人原稿や面接にも一貫性を持たせることでミスマッチを防げます。

2. 適性よりも“フィット感”を重視

スキルだけでなく、価値観や行動特性が合う人材を選びましょう。初期フェーズでは一緒に悩み、工夫し、前に進める人物が貴重です。

3. 試用期間で双方を見極める

3か月〜半年の試用期間を設け、業務遂行力、主体性、コミュニケーション能力などの観点で評価を行いましょう。

4. 初期教育とオンボーディング

入社初日から明確な役割・期待値を伝え、教育プランを組み立てておくことで、離職リスクを減らし即戦力化が進みます。


まとめ

最初の従業員を雇うタイミングは、企業にとって最も重要な転換点のひとつです。焦らず慎重に準備し、制度・体制・法令を整えたうえで、必要な人材に適切な条件でアプローチすることが、長く信頼できるチームの土台を築く鍵となります。

給与や雇用形態の選定、法律リスクの管理、初期教育、モチベーション維持の仕組みづくりなど、すべてが一貫した設計であることが成功への道です。


最後に

弊社では、採用計画の設計、求人媒体選定、面接フローの整備、入社後のフォローアップ、法務・労務面のサポートまで、チームづくりをトータルでご支援しています。採用・組織づくりでお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。

⇒お問い合わせはコチラ!

-起業知識