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従業員を雇う前に知っておくべき法律とリスク管理を紹介

従業員を雇う前に知っておくべき法律とリスク管理

はじめに

事業の成長に伴って、初めての従業員を雇うタイミングが訪れることは、経営者にとって大きなステップです。しかし、雇用には様々な法律上の義務リスクが伴います。それらを知らずに雇用してしまうと、トラブルや罰則の対象になることも。

この記事では、初めて従業員を雇う前に最低限押さえておきたい法律知識リスク管理のポイントについて、表を用いながらわかりやすく解説します。


第1章:雇用契約前に知っておくべき法律の基礎

1-1 労働基準法の基本理解

労働基準法は、すべての労働者に対して最低限の労働条件を定めた法律です。

項目内容注意点
労働時間原則1日8時間、週40時間以内残業には割増賃金が必要
休日週に1回以上の休日を与えること36協定がないと残業不可
賃金通貨で、毎月1回以上、一定期日に支払い遅延や現物支給は原則NG
有給休暇6か月勤務・8割以上出勤で10日付与取得拒否は違法になる恐れあり

1-2 雇用契約書の作成は必須

雇用契約を口頭で済ませるのは非常にリスクが高く、労使トラブルの元になります。

必ず書面で交わすべき主な内容:

  • 労働時間、休日
  • 賃金額・支払い日
  • 業務内容・就業場所
  • 雇用形態(正社員、パート、アルバイトなど)

第2章:社会保険・労働保険の手続き

2-1 社会保険の加入義務

従業員を雇用すると、原則として以下の社会保険に加入させる義務が発生します。

保険種類対象者事業主の負担割合
健康保険正社員および週30時間以上勤務者約半分を事業主が負担
厚生年金同上約半分を事業主が負担
雇用保険週20時間以上勤務、31日以上の見込みがある者原則:労使で負担(1.35〜1.95%)
労災保険全従業員事業主が全額負担

手続きを怠ると、追徴課税行政指導の対象になる可能性があります。


第3章:リスク管理のためにやるべきこと

3-1 労使トラブルへの備え

労働トラブルを未然に防ぐために、次のような対策が有効です。

トラブル例対策方法
残業代未払い勤怠管理システムの導入、残業申請制度
セクハラ・パワハラ就業規則での禁止明記、相談窓口設置
不当解雇の主張解雇理由を明記した書面、評価記録の保存
急な退職雇用契約書に退職規定を明記しておく

3-2 情報漏えい・損害賠償リスク

業務上知り得た情報が外部に漏れると、顧客信頼の損失や損害賠償請求に発展する恐れがあります。

対応策:

  • 秘密保持契約(NDA)の締結
  • 社内ルール(SNS使用、データ持ち出し禁止)の整備
  • セキュリティ対策(アクセス制限、ログ管理)

第4章:従業員を雇う際に発生するコストと心構え

4-1 人件費は「給与」だけじゃない

コストの種類内容
基本給月給・時給など
社会保険料会社負担分が発生
賞与・手当成果給や交通費など
教育研修費OJT・外部研修など
備品・IT環境PC・制服・業務ソフトなど

初期段階でこれらを見落とすと、資金繰りの悪化に繋がるため、事前の試算が重要です。

4-2 雇用は「育成」も含まれる覚悟が必要

新人が即戦力になることは稀です。指導・教育の時間を確保し、長期的視点でチーム作りを行うことが、結果的に企業の成長に繋がります。


第5章:最低限整えておくべき就業規則と労務体制

たとえ従業員が1人でも、就業規則の整備労務管理の体制づくりが重要です。

5-1 就業規則の記載内容(例)

  • 勤務時間・休日・休憩
  • 賃金・昇給・賞与
  • 懲戒処分の基準
  • ハラスメント防止方針
  • 副業やSNSの取り扱い

※常時10人以上の従業員がいる場合は、就業規則の届け出が法的義務となります。

5-2 顧問社労士や外部サービスの活用

労働法のアップデートや労務トラブル対応には専門性が求められます。社会保険労務士や労務管理サービスの導入を検討するのも一手です。


まとめ:雇用は経営者の責任と成長のチャンス

従業員を雇うというのは、経営者としての責任が格段に大きくなる一方、事業の加速とチーム力の構築において欠かせない選択です。

トラブルを未然に防ぎ、健全な労務環境を作るためにも、法的な基礎知識とリスク管理の徹底を怠らないようにしましょう。


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